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Q&A

1.病気について
Q01. 禁煙と肺がんについて教えてください 富士山
Q02. 肺がんの予防は可能でしょうか?
Q03. 肺気腫と肺がんについて教えてください
Q04. アスベストと肺がんの関係について教えてください
Q05. 肺がんとリンパ節転移の関係について教えてください
Q06. 在宅酸素療法について教えてください

2.検査と診断
Q07. 肺がん検診について教えてください
Q08. 肺がんの治療前に、なにを検査するのでしょう?
Q09. 近所のかかりつけ医よりがんセンターの受診を勧められました。肺がんなのでしょうか?どうすればよいのでしょうか?
Q10. 入院待ちについて教えてください
Q11. セカンドオピニオンについて教えてください
Q12. PET検査について教えてください
Q13. 何の症状もないのに肺がんと言われました。信じられません
Q14. 肺がんにおける腫瘍マーカーの信頼性は?
Q15. 4年前に肺に5mmの影が2つ見つかり、半年毎にCTを受けています。大きくなっていないようですが、今後どうすれば良いのでしょう?
Q16. 検診で肺に影が見つかりました。がんかどうかわからないと言われました。どうしたらよいでしょう?
Q17. 肩が痛くて病院を受診したら肺がんの可能性を言われました。痛みがひどいことはすでに末期ということでしょうか?

3.治療
Q18. 治療決定に関して一番心がけられることは何でしょうか?
Q19. 年齢による治療限界がありますか?
Q20. 抗がん剤は全身に効くのでしょうか?
Q21. 抗がん剤の副作用について教えてください
Q22. 抗がん剤の治療を行いながら、趣味のスポーツは楽しめるのでしょうか?
Q23. 手術が「できるかできないか」の判断基準は何でしょう?
Q24. 胸腔鏡手術について教えてください
Q25. IA期肺腺がんの標準的治療は手術のみで良いのでしょうか?
Q26. 手術と抗がん剤、放射線治療を合わせた治療ついて教えてください
Q27. 肺がんで、放射線治療のみを行うと言われました。これはどういうことなのでしょうか?
Q28. 放射線治療の具体的なスケジュールについて教えてください
Q29. 粒子線治療について教えてください
Q30. 肺葉切除後の再発時の治療はどうなるのでしょうか?また、再度手術が可能でしょうか?
Q31. 肺がん治療に対する「免疫療法」は有用ですか?
Q32. 当初効いていた抗がん剤が効かなくなってきたようで、病変が広がってきてると言われました。どうしたらよいでしょうか?
Q33. 62歳女性。右肺下葉4cm、リンパ節転移のある非小細胞肺がん。抗がん剤(カルボプラチンとパクリタキセル)を7クール行い、現在イレッサを内服して3.5カ月たちます。治療法は抗がん剤しかないといわれていますが、放射線治療の可能性は?
Q34. 84歳男性。当初手術と言われましたが、がんが大きいため6週間の放射線治療になりました。高齢なので抗がん剤治療も行わないとのことですが、放射線で治ることが期待できますか?その後に手術をすることはありますか?
Q35. 検査の結果、何の治療もできないと言われました。これはどういうことなのでしょう?

4.治療後
Q36. 肺がんの手術をした後で、ゴルフやテニスはできますか?
Q37. 手術後に飛行機に乗れますか?
Q38. 肺がんの予後は?
Q39. 抗がん剤の治療が終わりました。効いているといわれましたが、まだ抗がん剤をする必要があるのでしょうか?
Q40. 手術で完全切除されても再発の可能性があるのでしょうか?術後の定期検査としてCTなどを何度も受けても影響はないのでしょうか?
Q41. 抗がん剤と放射線の治療をしてきましたが、もうこれ以上治療手段はないと言われました。何か有効な手立てはないのでしょうか?
Q42. どのように自分の運命を受け入れたらよいのでしょうか?
Q43. ホスピスに関して教えてください


1.病気について

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Q01. 禁煙と肺がんについて教えてください
A01. 喫煙による健康被害については言うまでもありません。これは肺がんや肺気腫などの病気に限らず、心臓病や他のがんなど多くの悪い影響をもたらします。現在は健康保険の範囲内での禁煙外来が行われています。内服薬や皮膚に貼って禁煙の補助を行うお薬も出ています。各医療機関のホームページをご覧ください。詳しくはこちら
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Q02. 肺がんの予防は可能でしょうか?
A02. 禁煙と、喫煙者のタバコの煙に近づかないことが肝心です。そのほか肺以外のがんと同様に、規則正しい生活、暴飲暴食を避ける、節酒、適度な運動などなのがあげられますが、完璧な予防は不可能です。「なぜ自分は肺がんになったのか?」と尋ねられることは多いのですが、残念ながらその原因が分かることはほとんどありません。したがって、禁煙以外にできることは、早期発見と治療が大切になります。肺がん検診を毎年受けることをお勧めします。
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Q03. 肺気腫と肺がんについて教えてください
A03. 肺気腫は、主にタバコによって肺が傷んでもとの状態に戻らない状態を指します。一度痛んだ肺は禁煙しても元に戻ることは無く、年齢を重ねるごとに徐々に肺の能力は衰えてきます。タバコを多く吸っていた方は、肺気腫にも肺がんにもなりやすいため、肺気腫のかたの肺がんは少なくありません。傷んだ肺の場合、抗がん剤や手術を受けるに際して治療が行えなかったり、合併症が出てしまったりする可能性が高まってしまいます。呼吸器専門医であれば、治療を受けられるか、治療の危険性の評価を判断してくれると思います。
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Q04. アスベストと肺がんの関係について教えてください
A04. 塗装業や解体工事などの職業等で長くアスベスト(石綿)に暴露されていると肺がんや中皮腫という病気になることが報告されています。発見にはやはり検診です。検診施設によっては、アスベスト暴露のある方の専門検診を行っているところがあります。各検診施設へお問い合わせください。参考
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Q05. 肺がんとリンパ節転移の関係について教えてください
A05. リンパ節の本来の目的は、肺に取り付いた病原菌などを体中に散らばらないようにする防波堤の役割をしています。肺がんでも、肺の一部にできたがん細胞が体中に散らばることを防いでいると考えられますが、すでにリンパ節にまでがん細胞が取り付いてきている肺がんは、程度にもよりますが早期とは言いがたい状況です。肺の中や付け根までだけなのか、心臓の周りのリンパ節にまでひろく転移を起こしているのかで、治療方針を手術中心と考えるのか抗がん剤を中心と考えるのか大きく異なってきます。そのため、肺がんのリンパ節転移を正確に診断する事は非常に大切です。広い範囲のリンパ節への転移は、がん細胞がかなりの確率で体中に広がっている可能性を示します。PETやCTで診断はおおよそ可能ですが、手術して初めてリンパ節への転移がわかることも少なくありません。
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Q06. 在宅酸素療法について教えてください
A06. 在宅酸素療法は、通称HOT(ホット、Home Oxygen Therapy)といいます。自宅に酸素供給機を設置し、必要時あるいは24時間、酸素吸入をすることを指します。
もともとの肺の機能にもよりますが、抗がん剤や放射線治療を繰り返すと、正常な肺の働きが悪くなり体に酸素を取り込む力が弱くなってしまいます。また、治療後の肺炎などの合併症によっても起きることがあります。そのため体を動かした際になどに酸素を必要とすることがあります。がんの進行によっても同じ状況が起こることがあります。家庭での酸素投与によって在宅療養や社会復帰を可能にしています。現在は保険の範囲で自宅に酸素を設置することができます。担当医とご相談ください。参考
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2.検査と診断

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Q07. 肺がん検診について教えてください
A07. 40歳を超えるタバコを吸っている方はぜひ毎年検診施設で通常の胸部写真は受けてください。もちろん非喫煙の方も健康に関心のある方はお勧めします。CTは必ず必要でありませんが、タバコ1日30本×20年以上または20本×30年以上の重喫煙歴のある方、喫煙者で血痰が出たことのある方などは、CTを使った検診を年に1回お勧めいたします。各地域の検診施設(神奈川県予防医学協会、神奈川県結核予防会など)にはいくつかのCTを含んだ検診コースが設定されていますので、各施設へお問い合わせください。なお、当センターでは検診は行っておりません。あと、胸部レントゲン写真に肺がんが写し出されるかどうかは、個人差や肺がんの性格によっても異なり、男女差ありません。小さな肺がんほど見つけにくいのは事実ですので、心配な方はCTの検診をお勧めいたします。
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Q08. 肺がんの治療前に、なにを検査するのでしょう?
A08. 画像検査としては胸部単純写真(いわゆるレントゲン)や胸腹部CT検査(特に造影剤を使った造影CT検査)、頭部MRIもしくは頭部CT検査、PET/CT検査もしくは骨シンチグラム検査等を行います。これらの検査は肺がんの進行度を確定するために行う検査であり、これらの検査とは別に肺がん細胞を採取し確定診断を得るための検査を行います。この確定診断を得るために行う検査としては、気管支ファイバー検査や肺針生検検査等があります。胸水貯留を伴う肺がんの患者さんの場合、胸水を一部抜いてがん細胞を顕微鏡で確認する検査を行う場合もあります。この他、採血をして白血球数や赤血球数・ヘモグロビン値、血小板数等の骨髄機能を見たり、肝機能や腎機能等の重要臓器の機能を見たり、腫瘍マーカーの値を見たりします。また、不整脈等の問題が心臓にないかどうかを心電図検査で確認することや、肺活量を含めた肺の機能を見るための呼吸機能検査等も必要になります。さらにはこれらの検査の結果、さらに精密検査が必要になる場合があります。例えば、心電図異常が見つかった場合、治療前に循環器科にて心臓の超音波検査や24時間心電図検査等が追加になる場合があります。
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Q09. 近所のかかりつけ医よりがんセンターの受診を勧められました。肺がんなのでしょうか?どうすればよいのでしょうか?
A09. 「肺の影」を理由としてがんセンターを受診される方は少なくありません。詳しく調べた結果肺がんであることもありますし、それ以外の病気のこともあります。詳しく調べた上で、肺がんであればもちろん最も適した治療を行いますし、肺結核など専門の施設をご紹介することもあります。がん以外の場合でも肺のできもの(腫瘍)や、胸の中の腫瘍で当センターで治療を行う場合もあります。また受診される際に、ご自身が聞きたいことをメモに書いて持っていき、主治医に質問すると良いでしょう。質問したいことがあっても、いざ質問する段になってうっかりと忘れてしまうことや思い出せなくなることも少なくありません。十分に納得できる説明を受けたうえで、ご自身がどうすべきなのかを一緒に考えていきましょう。
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Q10. 入院待ちについて教えてください
A10. 当センターでは、初診受付から入院までおおよそ1ヶ月程度かかりますが、前医での検査の進捗状況や患者さんの具合によって異なります。どのような治療を行うにしろ、各々の患者さんのがんの状態の評価も含め、体力や心肺内蔵機能を評価するために時間を要します。必要な検査はちゃんと受けることをお勧めいたします。もちろん早急に治療が必要な方には、適切に対応いたします。
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Q11. セカンドオピニオンについて教えてください
A11. おかかりの病院で、治療内容や方針決定に際して担当医の医師からの病状や治療法について疑問を感じる場合や、ご自身が納得しきれないと思われる際には、セカンドオピニオンを利用するのも考え方の1つです。当院では、呼吸器内科、放射線腫瘍科では毎日、呼吸器外科では火曜日と金曜日に受付けしております。頂いた資料の範囲の中で十分に読み込んでからお話を伺いますので、ご自身が思われる疑問点をお示しください。参考
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Q12. PET検査について教えてください
A12. PET(ペット:Positron Emission Tomography)は、がんの検査方法の1つです。がん細胞が正常細胞に比べて数倍のブドウ糖を取り込む性質を利用します。ブドウ糖に似た物質に目印(FDG)をつけて注射し、しばらくしてから全身を撮影します。するとFDGが多く集まるところがわかり、がんを発見する手がかりとなります。また集積の度合いが高ほど、悪性度も高いとの報告も多くあります。従来の検査に比べ全身を同時に検査することができ、がんの全身への広がりを調べるのにも重要な働きをします。肺がんの治療を始める際や治療後の再発の有無を確認する目的で、この検査は行います。しかし全てのがんを見つけられるわけではありません。特に早期のがんや炎症を起こしている部位、糖尿病の方では、異常かどうかの判別がしにくくなったりして、見つけられない場合があります。ほかの検査(CT、MRI、内視鏡など)を併用することで、お互いの長所と弱点がカバーされます。
PET検査は、どこの医療機関でも受けられる検査ではありません。当施設にもありますが検診として用いることはありません。横浜市内ではPETを専門にやっている検査施設もありますので、検診はそちらをご利用ください。
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Q13. 何の症状もないのに肺がんと言われました。信じられません
A13. 肺がんの症状として多く言われるのは、咳や血痰、胸の痛みなどです。これらの症状の多くは、肺がんが進行して周囲臓器を侵しはじめたり、リンパ節やあちこちの臓器に転移を起こし始めたりしたことが原因です。そのため、症状の出た肺がんではかなり進行してきている状況といえるでしょう。症状がないということは、まだがんが肺の中だけにとどまっていて、比較的早期の段階である可能性があります。検診や職場の健康診断、高血圧などの持病でたまたま検査をして見つかる患者さんでは、このようなことは少なくありません。実際、手術される患者さんの多くは、何の症状もない状況で発見されています。
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Q14. 肺がんにおける腫瘍マーカーの信頼性は?
A14. 腫瘍マーカーとは、体内に「がん」ができた時に血液中に出てくる特殊なタンパクのことです。腫瘍マーカーの検査は本来がんのスクリーニング(がんがあるかどうか)を目的に行われるものですが、現状では前立腺がんのPSAを除いてその目的を果たしている検査とはいえません。腫瘍マーカーが陽性だからといって必ずがんがあるわけではなく、反対に陰性だからといって完全にがんが否定できるわけではありません。肺がん診療ガイドラインでは、「腫瘍マーカーは肺がん検出の目的ではなく、診断の補助、治療効果のモニタリング(経過観察)、再発診断としてのみ行うよう勧められる」とされています。参考
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Q15. 4年前に肺に5mmの影が2つ見つかり、半年毎にCTを受けています。大きくなっていないようですが、今後どうすれば良いのでしょう?
A15. 1cm以下の影については、その影の濃さ、形、場所などにより明らかに悪性(がん)を疑うものでなければ経過観察されるのが一般的です。4年間、計8回の検査を受けられて変わっていないとすると、肉芽腫(にくげしゅ)や器質化肺炎といった炎症のなごり、あるいは肺の中のリンパ節といった良性のものか、もしくは前がん病変あるいは極極早期の肺腺がんの可能性があります。影が淡いいわゆる「すりガラス」のように見えるものであれば、後者の可能性がありますが、このタイプは急激に変化することは少ないと言われていますので、今後は1年1回のCT検査で良いのではないかと思います。ただし、CT検査の質自体に問題があることがありますので、ご心配の場合には一度当院の呼吸器内科にご相談ください。
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Q16. 検診で肺に影が見つかりました。がんかどうかわからないと言われました。どうしたらよいでしょう?
A16. 施設によって考え方が多少の差がありますが、多くの検診施設はCTを使って経過を見るようにしています。担当医が肺がん検診の専門医または呼吸器専門医であれば心配がいらないと思います。担当の先生が「肺がんは自信がない」または「肺がんはよくわからない」という状況であれば、積極的に当院のセカンドオピニオンや他の専門施設への紹介を申し出ください。なお、CTの被ばく量は年に数回であれば、心配は不要です。大切なことは、担当医を信頼して、相談をすることです。
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Q17. 肩が痛くて病院を受診したら肺がんの可能性を言われました。痛みがひどいことはすでに末期ということでしょうか?
A17. 肺がんは比較的骨に転移しやすいがんです。痛みが初発症状のこともあります。必ずしも痛みの強さが病気の進行度と一致するわけではなく、がんの症状としていずれの時期でも痛みが出てくることがあります。がんの痛みの原因は複雑なことが多く、時に対処が容易でないことがありますが、内服薬・手術・放射線治療・神経ブロックなどさまざまな手段を用いて軽減することが可能です。当院では痛みに限らず、がんのさまざまな症状を軽減することを目標に、症状緩和のための緩和ケア内科外来を設けております。受診ご希望の方は担当医にお申し出ください。
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3.治療

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Q18. 治療決定に関して一番心がけられることは何でしょうか?
A18. がんを治しながらも患者さんとご家族の意向に配慮した治療方針を、呼吸器グループ全体でサポートして参ります。まずはがんの広がり(病期)、治療に耐えられる体力や気力があるかなど、全身状態および精神状態を把握し、標準的に考えられる治療法を患者さんに提案します。その上で、「患者さんご自身が後の人生で何をされたいか」という点を最も重視して治療のオプションを提案し、患者さんのご理解に応じて治療を決定します。なお、当院ではご自身の病状が理解できない方には、原則として積極的ながん治療はお薦めしていません。 
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Q19. 年齢による治療限界がありますか?
A19. がん治療を考える際にしばしば言われることは、「暦年齢とからだの年齢は必ずしも一致しないので患者さんの体力、精神状態に合わせて最適な治療を選択すべし」ということです。87歳でも標準治療を受けられる方もいれば、65歳でもたばこによる肺のダメージのために何の治療もできない方もいます。治療前に、主治医の先生と十分にお話し合いをされて、理解された上で治療方針を決めていただきたいと思います。
患者さんご自身が思っている以上に身体のあちこちがご衰えている場合がありますので、治療により期待される効果よりも副作用あるいは身体に対する負担が明らかに勝ることがあります。このような状況では積極的ながん治療より、症状に応じた治療(対症療法・緩和ケア)を考えるべきでしょう。
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Q20. 抗がん剤は全身に効くのでしょうか?
A20. 点滴の抗がん剤、内服の抗がん剤、分子標的薬(代表的な薬はイレッサやタルセバ)は、血液の流れに乗って全身にくまなく広がり、どの臓器(肺、リンパ節、脳、骨、肝臓など)にも効果を出します。現在、点滴の抗がん剤と分子標的薬をうまく組み合わせた治療法が検討されています。抗がん剤や分子標的薬の副作用は個人差があります。対策は専門医であれば十分に対応してくれますので、担当医との相談が肝心です。病院の選び方も重要ですが、呼吸器科(肺がん)専門医または肺がんの抗がん剤の専門医がいれば大丈夫です。各施設のホームページを参照ください。治療の進め方は担当医によって異なります。専門医であれば、現時点の標準的な治療を勧めてくれると思います。参考
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Q21. 抗がん剤の副作用について教えてください
A21. 抗がん剤の副作用で大事な点は、まず一人一人の患者さんごとに個人差があるということ、またさまざまな副作用がありますが、大抵の副作用にはそれに対する処置薬がありますので、少しでも抗がん剤治療が継続できるように、このような処置薬が使われていくことを理解しておくことです。肺がんの患者さんに頻用される抗がん剤には点滴で投与される抗がん剤と内服する抗がん剤とがありますが、使用される抗がん剤によってその副作用は多少の違いがあります。一般的には骨髄毒性(白血球減少症、貧血、血小板数減少症等)や消化器毒性(悪心・嘔吐、下痢、口内炎等)、神経障害(しびれ等)、脱毛、肺障害(間質性肺炎等)があります。参考
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Q22. 抗がん剤の治療を行いながら、趣味のスポーツは楽しめるのでしょうか?
A22. 抗がん剤治療中であっても適度な運動は必要と考えます。しかし”過ぎたるは及ばざるがごとし”で、過度な運動は逆効果になる場合もあります。どの程度の運動が最適なのかは一人一人の患者さんで変わります。また、行っている抗がん剤治療の副作用の程度によっても変わると思われます。目安となるのは運動をした翌日の朝に前日の疲れが残っていない程度の運動だと思います。翌朝すっきり目覚めることができれば適度な運動なのではないでしょうか?詳しくは担当医の先生とよくご相談ください。
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Q23. 手術が「できるかできないか」の判断基準は何でしょう?
A23. 主に考えるべき点は、1)完全に取りきれる肺がんなのかどうか、2)手術に耐えられる全身状態かどうか、術後生活への影響はどうかなどです。肺がん手術の大前提として、がんを完全に取りきれなければ意味がないことは知られています。がんを一部だけ取ったりしてもがんはすぐに育ってきます。「手術ができる」ということ「手術で治る」ということは同じ意味ではないことをご理解ください。進行してしまった肺がんであれば、切除しきれなかったがん細胞が後々出てきますので、完全にとりきれる可能性のある進行度(病期)の人だけが「手術のできる人」と言えます。逆に、「手術ができない人」は、顕微鏡レベルも含めてがん細胞を完全に切除することができないと判断される人です。ただし、手術してみたら予想していた以上にがんが広がっていて完全にとりきれないという場合もあることをご承知ください。
がんを完全にとりきるための手術のやり方(術式)が決まったら、実際に肺をどこまでとれるかを呼吸機能、全身状態などから個々の患者さんで検討して、はじめて「手術できるかどうか」が決めます。手術でがんは完全切除できたのだけど、肺を失ったことが原因で動けなくなってしまったというのでは本末転倒です。治療前の状況、手術後に残る肺機能、精神状態、病状に対する理解など総合的に判断して、最終的には手術を治療として選択するかどうかも含めて患者さん、ご家族とご相談することなります。
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Q24. 胸腔鏡手術について教えてください
A24. 「胸腔鏡手術」の定義は確立していません。主に、モニターだけを見ながら手術するもの(完全鏡視下手術)、モニターと直接胸の中を覗くのと併用するやり方(ハイブリッド手術)があります。胸腔鏡を使えば手術操作を行う場所により近づいて見ることができますので、術者の視力に加えて、優れた画質で手術野を観察することができます。また、直接見にくい場所を観察したり、手術に参加している医師、看護師などが術野の状況を把握したりするのにも役立ちます。開胸手術に比べて胸腔鏡手術の合併症が少ない、肺がんの治療成績がといったような報告もありますが、患者さん選択や術者の技量などの背景がまちまちであり、慎重な解釈が必要です。一般に痛みも少ない傾向にあり、傷も小さいのも特徴の一つです。ですが痛みの感じ方は人それぞれで、傷が小さいから痛くないわけではなく、胸腔鏡手術を行えば必ず痛くないわけではありません。現在はさまざまな痛み止めがありますので、これらを上手に使うことで傷の大きさにかかわらず早い時期から日常に問題ないくらいの生活に戻ることが可能です。肺がんの手術では、がん細胞を残すことなく完全切除すると同時に、手術後も含めて合併症なく安全に行うことが最も大切です。傷の大きさにこだわり過ぎると、本来大事なはずの安全性や根治性がおざなりにされてしまうこともあります。主治医の先生と十分に相談をして、ご自身は納得できる術式で手術を受けられるのが良いと思います。
当センターでは、小型の肺がんは完全鏡視下での手術を主に行い、肺が十分に分かれていなかったり(不全分葉)、癒着や肺の中心に近かったりする肺がんであれば、胸腔鏡と開胸を併用したいわゆるハイブリッド手術を中心に行っています。
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Q25. IA期肺腺がんの標準的治療は手術のみで良いのでしょうか?
A25. 肺がん診療ガイドラインでは、IA期の肺がんの患者さんに対しては、手術ができる人には手術をお薦しています。肺がんのできた肺葉を切除する術式が標準とされていますが、非常におとなしいもの、肺の末梢にできた小型のものには、肺をより多く温存できる区域切除を用います。ごく早期のものは部分切除を行います。手術ができない人、手術を受けたくない人には放射線治療が推奨されます。ただし、昨今放射線治療技術が進歩してきて、定位放射線治療という「がん」に放射線を集中させて照射する治療法が確立してきました.肺がんの細胞を、周囲の肺組織ごと「焼いて」直す方法で、以前に比べ短期間で治療が完了します。
2cm以上の肺腺がんに対しては、術後再発予防策としては、テガフール・ウラシル配合剤(UFT)という経口抗がん剤の2年間投与の有効性が報告されています。髪の毛が抜けるなどの強い副作用はありませんが、胃腸、肝機能障害、食欲不振など消化器症状が見られますが、半数以上の方は2年間継続することができています。もともと約80%の患者さんが術後に追加治療なしで再発なく経過されますので、効果と副作用を患者さん御自身が十分に理解された上で決められたら良いと思います。
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Q26. 手術と抗がん剤、放射線治療を合わせた治療について教えてください
A26. はじめに手術をしてその後抗がん剤を行う場合(補助化学療法)、はじめに抗がん剤と放射線治療を行った後(導入治療)に手術など、当初から抗がん剤と放射線のみをあわせた治療など、治療の組みあわせ方は病状や患者さんの肺がんとお方だの具合によって異なってきます。I期の2cm以上の非小細胞肺がんであれば手術後に内服抗がん剤(UFT)が標準治療とされていますが、小細胞がんやII期以上の非小細胞肺がんなど、再発の可能性が少なくない場合にはより強力な抗がん剤を点滴することもあります。また手術前に進行肺がんとわかっている場合には、手術前に抗がん剤や、放射線と抗がん剤を行う場合もあります。進行肺がんであれば、手術を含まない治療を組み合わせた、もしくは抗がん剤の単独治療が標準治療です。通常専門施設では、肺がんの専門医グループの意見交換(カンファランス)によって各患者さんの治療方針が決定されています。担当医(主治医)と十分に相談し、決めることが肝心です。担当医が迷っていると感じたときや説明に十分な理解が得にくい場合には、セカンドオピニオンを受けるのが良いと思います。手術前に他の治療を組み合わせて行うような場合には、肺がん治療の経験の多い施設での治療をお勧めします。
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Q27. 肺がんで、放射線治療のみを行うと言われました。これはどういうことなのでしょうか?
A27. 早期の肺がんでは、手術が可能であれば手術です。また、転移はないものの進行している肺がんに対しては、抗がん剤と放射線治療を組み合わせるのが標準治療です。ところが、早期の肺がんでも合併症などで手術ができない・手術をしたくないという場合には、放射線治療のみを行います。また、進行肺がんでも腎機能が悪いなどの理由で抗がん剤治療のできない方には、放射線治療のみを行います。放射線治療のみでも治癒する方はいらっしゃいますので、しっかりと放射線治療を受けることをお勧めします。
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Q28. 放射線治療の具体的なスケジュールについて教えてください
A28. 他の治療とどう組み合わせる方法が最適か、をカンファレンス(キャンサーボード)で決めます。次に放射線治療をすることが決まりましたら、治療方法を決めるために、CTをとります。実際に放射線治療をするときの姿勢でCTをとりますので、検査のためのCTとは異なります。この画像をもとに私たちが治療の方法を、コンピューターを用いて決定します。その後、実際の放射線治療が始まります。多くの場合、1日に1回の照射で、1回の治療時間は5分から15分くらいです。治療回数は30回前後で1ヶ月半くらいかかりますので、通院治療することが多くなります。定期的に治療中の効果や副作用をみるために診察をします。そのほかに、早期の肺がんには定位放射線治療といって、1回にたくさんの放射線をかけて4回程度で終了する方法もあります。痛みを和らげるためには、少ない量の放射線治療ですむこともあります。
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Q29. 粒子線治療について教えてください
A29. 肺がんの粒子線治療には、陽子線治療と重粒子線治療があります。どちらも体の中の腫瘍に対して集中的に照射でき、正常臓器への線量を減らすことができるという利点を持っています。さらに重粒子線は、腫瘍に対する威力も強く、今までの放射線治療ではあまり効かなかったがんにも有効です。問題点としては、治療施設が少なく、どこででも受けられるわけではないことです。また、治療費は先進医療といって粒子線治療代は自己負担で、そのほかは保険診療でまかなわれます。神奈川県立がんセンターでは、平成27年度から重粒子線治療施設i-ROCKが稼働しています。参考
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Q30. 肺葉切除後の再発時の治療はどうなるのでしょうか?また、再度手術が可能でしょうか?
A30. 新しく出てきた病変が、初回に手術したがんの「再発」と診断した場合には、見えている病変以外にも全身にがん細胞がすでに広がっていると考えて、抗がん剤が治療の主体になります。ただし、初回手術の切り口(切除断端)のみにがんが出てきたときには、改めて手術で大きく切除することがあります。また、新しい病変が前回の手術の時のものとは異なる「新しいがん」と考えた場合あるいはそれを疑った場合には、現在の肺機能、全身状態はもちろん予想される再手術の術式など総合的に判断して、手術が最も良い治療法かどうかを検討します。体力的に手術ができない人、希望しない人には放射線治療を、進行がんの人には放射線と抗がん剤の治療を組み合わせた治療が検討されます。いずれにしても身体に負担がかかる可能性があり、患者さんご自身が病状を理解されて納得の上で治療方針を決められるのが良いでしょう。主治医の先生と十分お話をしてください。
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Q31. 肺がん治療に対する「免疫療法」は有用ですか?
A31. 免疫療法は大きく二つの考え方があり、最近話題になっているのはがん細胞が免疫機構から逃れようとすることを防ぐ(免疫チェックポイント阻害薬)治療ですが、もう一つ自分自身の免疫力(異物を認識して、これを排除する)を増すことで、がん細胞自体を排除しようとする治療(免疫賦活)です。前者は、オプチーボ、キイトルーダに代表される新しい薬剤で、今までの抗がん剤とは異なった考え方に基づき、延命ではなくがんの治癒をもたらす可能性があると期待されています。この二剤以外にも、世界中でさらなる新薬の開発競争を行っています。後者は、体の中の免疫の力ががん細胞を「異物」として認識してこれを排除できる可能性が示されていますが、がんセンターや大学病院などの基幹病院での臨床試験として研究開発段階にあるのが現状です。肺がんの治療においては、現時点で科学的に免疫療法の有効性を明確に証明した研究はなく、標準的治療としての評価には至っていません。一部の病院で先進医療として保険診療と併用する形や臨床試験として行われています。なお、当センターの呼吸器グループでは、東京大学医科学研究所病院と術後補助免疫療法の臨床試験(S-588410)を国内共同治験として実施しています。
また「民間療法」として自由診療の形で行われているものは、学会や厚生労働省で評価されるようなきちんとしたデータや治療実績が出されていないため、保険診療ではなく全額自費負担となっているようです。
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Q32. 当初効いていた抗がん剤が効かなくなってきたようで、病変が広がってきてると言われました。どうしたらよいでしょうか?
A32. 以前と比べ現在では肺がんの患者さんに使用可能な抗がん剤の種類は確実に増えてきており、全身状態が良好で、主要な臓器機能(骨髄機能や肝機能、腎機能等)が充分ある患者さんでは薬の種類を替えて抗がん剤治療が行われます。初回の抗がん剤治療(ファーストライン治療)に次いで行われるため、このような治療を二次治療(セカンドライン治療)と呼びます。セカンドライン治療では通常の点滴による抗がん剤治療に加えて内服薬での抗がん剤治療もあります。詳しくは担当医の先生とよくご相談ください。
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Q33. 62歳女性。右肺下葉4cm、リンパ節転移のある非小細胞肺がん。抗がん剤(カルボプラチンとパクリタキセル)を7クール行い、現在イレッサを内服して3.5カ月たちます。治療法は抗がん剤しかないといわれていますが、放射線治療の可能性は?
A33. おそらくIII期の非小細胞肺がんと思います。通常は、抗がん剤と放射線治療を組み合わせた治療をします。しかし、抗がん剤しかないと言われたとのことですので、放射線治療の適応とならないケースかもしれません。これは、病気と反対の肺の入り口のリンパ節に転移がある場合や肺や心臓の周りに水がたまっている場合などがあります。また、肺にもともと間質性肺炎をお持ちで、放射線をあてる範囲が広くなる場合も適応となりにくいと言えます。ただし、今後の必要性に応じて、病気の一部に放射線をあてて腫瘍を小さくしたり、痛みを減らしたりすることは可能です。
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Q34. 84歳男性。当初手術と言われましたが、がんが大きいため6週間の放射線治療になりました。高齢なので抗がん剤治療も行わないとのことですが、放射線で治ることが期待できますか?その後に手術をすることはありますか?
A34. 当初、手術が予定されていたとのことですが、進行していたので、放射線治療になったのでしょう。おそらくIII期でしょう。III期という進行度は、いろいろな進行度の肺がんが含まれますので、治るかどうかを判断するのは難しいです。ただし、この方の扁平上皮がんという肺がんは、放射線治療と相性のよいタイプの肺がんです。まず、放射線治療をされて経過をみてはいかがでしょうか。ご高齢であること、また6週間の放射線治療が予定されていることから、手術を後からすることは一般的にはないと考えられますが、明らかに腫瘍が残存して、体力があり根治への期待をより高めたい場合には、ご本人・ご家族と相談し手術を検討しても良いかもしれません。
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Q35. 検査の結果、何の治療もできないと言われました。これはどういうことなのでしょう?
A35. 肺がんの患者さんに対する三大治療として手術、抗がん剤、放射線があります。これら治療には必ず副作用や合併症等のリスクが伴います。このリスクは一人一人の患者さん毎に大小さまざまです。つまり年齢や現在持っている病気(糖尿病や心筋梗塞、狭心症、肺気腫など)によって患者さん一人一人で変わります。例えば、進行度が早期の肺がん患者さんであっても必ず手術が受けられるわけではなく、重度の狭心症や肺気腫等をもっている患者さんでは全身麻酔をかけることですら、命に関わるかもしれない場合あります。当然麻酔をかけられないのでは手術は不可能です。同様なことが抗がん剤治療でも当てはまります。つまり全身状態が低下している患者さんに抗がん剤投与はできません。抗がん剤を投与することで得られるプラスの面(この場合がんが縮小し生存期間が延長すること)よりもマイナス面(強い副作用により今よりもさらに全身状態が悪化してしまうこと)が上回ると判断される場合には抗がん剤投与ができないこともあります。
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4.治療後

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Q36. 肺がんの手術をした後で、ゴルフやテニスはできますか?
A36. 患者さんのもともとの心肺力と術後のリハビリによりますが、ほとんどの方で可能と考えています。ただし、患者さんご自身の理解と努力が必要です。「手術が成功した」とは術前の生活に戻って初めて言えることですので、痛みや息苦しさにある程度耐えながらリハビリに励んで頂きたいと思います。ある日突然ゴルフやテニスができるようになることはありません。3〜6カ月の日々の積み重ねが結果として「楽しい生活」をもたらすものとお考えください。 呼吸リハビリは様々ありますが、基本的には良く手を振って歩くこと、ラジオ体操などによる呼吸に関係する筋肉のトレーニングです。「ゴルフをやりたい」「テニスを楽しみたい」という目標をもたれることがリハビリの励みになると思います。実際、当院で手術を受けられた患者さんから、手術の1カ月後には芝の上を歩かれ、スイングされたという話を伺っています。
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Q37. 手術後に飛行機に乗れますか?
A37. もともとの呼吸機能の状態によりますが、一般には傷が癒えてしまえばいつでもご搭乗頂いて構いません。空気が薄い、気圧の変化があることなど心配されている点かと思いますが、通常の生活が送れるまでに回復されていれば恐れるに足りません。ご旅行を楽しんで頂きたいと思います。
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Q38. 肺がんの予後は?
A38. がんの状況や年齢、もともとお持ちのほかの病気など個人差が非常にあります。また受けた治療の内容によっても異なるため、一概に説明することは非常に難しいです。患者さんのお体を一番ご存知である担当医と相談されることをお勧めいたします。参考
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Q39. 抗がん剤の治療が終わりました。効いているといわれましたが、まだ抗がん剤をする必要があるのでしょうか?
A39. 通常の点滴の抗がん剤治療の場合、効果があって副作用が強くなければ初回治療では通常4コースから最大6コース程度まで行うのが標準的です。6コースを越えて同じ抗がん剤治療を継続しても効果は少なく、副作用が強くなると言われています。一方、分子標的薬といわれる種類の内服薬の抗がん剤治療では、強い副作用がなく、効果が持続している限りは治療を継続します。これは分子標的薬という抗がん剤が、基本的にがん細胞の増殖を抑制する作用のあるお薬であり、効果が無くなるまでは飲み続けることが必要となるからです。
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Q40. 手術で完全切除されても再発の可能性があるのでしょうか?術後の定期検査としてCTなどを何度も受けても影響はないのでしょうか?
A40. 病期(がんの進行度)は、IA期からIV期まで7段階に分かれています。IA期の中でもがんの大きさが2cm以下のものと2cmより大きく3cm以下のものでは生存率が違っていて、病期が上がれば上がるほど再発のリスクが高くなります。IA期でも再発リスクは10〜15%と考えられています。したがって、完全切除されたと言っても、目に見えないがん細胞が体内のどこかに潜んでいて時間経過とともに画像など目に見える形になって出てくる可能性がありますので、少なくとも5年間は定期的な検査、診察が必要です。転移しやすい場所は、肺、肝臓、次いで、脳、骨、次いで副腎、皮膚、小腸などです。定期検査の内容やタイミングについては、決まったものが有る訳ではありません。がんのたちの悪さや病期によって主治医が一定の間隔で検査を勧めるのが一般的です。
検査による放射線の被曝を心配されることがありますが、半年に1回程度であれば発がんに至ることはまずないと言われています。むしろ、検査でご自の状況を把握される方が重要だろうと考えています。
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Q41. 抗がん剤と放射線の治療をしてきましたが、もうこれ以上治療手段はないと言われました。何か有効な手立てはないのでしょうか?
A41. 全身状態が良好で、主要な臓器機能(骨髄機能や肝機能、腎機能等)が充分ある場合には、薬の種類を替えて抗がん剤治療を行うことも考えられますが、2.検査と診断の進行度の項目でもお答えしたように、全身状態が不良である場合や主要な臓器機能が低下している場合には抗がん剤治療等ができないこともあります。また、肺がんの患者さんに使える抗がん剤の種類は限られており、使える抗がん剤を総て使ってしまったにも関わらず病状が悪化している場合には更なる抗がん剤治療が不可能な場合もあり得ます。がんに対する積極的な治療が困難な場合、症状を緩和していく治療が望ましいこともあります。詳しくは担当医の先生とよくご相談ください。
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Q42. どのように自分の運命を受け入れたらよいのでしょうか?
A42. 今やおおよそ日本人男性女性ともに2人に1人が一生のうちがんと診断されます(がんの統計’09、 累積がん罹患・死亡リスクより).その意味では特別な運命として受け止める必要はありません。診断を受けた時点から主治医とよく相談し、病状や治療手段への理解を深めることがその後のご自身の生活設計を組み立てていくのに大切です。また病気に関する悩みを一人で抱え込まず家族や近親者に分かち合ってもらうのも良いと思います。患者会などに参加し、同様の病気を抱える他の患者さんと情報交換することも参考になるかもしれません。
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Q43. ホスピスに関して教えてください
A43. 当院にも緩和ケア病棟があります。また、神奈川県内には川崎市内、横浜市内、三浦半島、湘南地区と分散して複数のホスピスがあります。おかかりになっている病院の地域連携室や医療相談室にてホスピス・緩和ケア病棟を有する医療機関を調べることができます。しかし、ベッド数が限られており、入院前の面談や入院に至るまでに時間がかかっているのが現状です。緩和医療=ホスピス病棟での医療ではありません。一般病棟/ホスピス/在宅とそれぞれの場所で症状に応じた緩和医療を受けることが可能です。療養の場の選択やホスピスへの受診のタイミングは患者さんそれぞれの希望が優先されます。患者さんの体やがんの状況、家庭内介護の状況、終末期への要望について担当医とよく相談し、受診するホスピスやその時期を決定することをお勧めします。参考
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雑誌に掲載されたQ&Aはこちら


●がんサポート 2009 vol.70 がん相談QA 肺がん (PDF:859KB
Q1.6ヵ月後にCTといわれたが放っておいて大丈夫か
  Q2.開胸手術とラジオ波治療のどちらがよいのか迷っている
  Q3.喫煙者の場合、手術リスクが高くなるのは本当か?
●がんサポート 2009 vol.72 がん相談QA 肺がん (PDF:790KB
  Q1.肺がんの病理診断は、手術中に行うのが一般的なのか
  Q2.抗がん剤による全身治療となった。放射線併用ではだめなのか
  Q3.悪性胸膜中皮腫で手術を受けた。再発した場合の治療法は?
●がんサポート 2009 vol.76 がん相談QA 肺がん (PDF:780KB
  Q1.タキソール+パラプラチン治療後、転移の可能性。治療法は?
  Q2.0期の肺がん。放射線治療とPDT どちらがよいか
  Q3.1A期の肺腺がん。治療は手術だけでよいか
●がんサポート 2009 vol.77 経口抗がん剤による肺がんの術後の治療 (PDF:762KB
  2〜3センチの腫瘍径の生存率がアップ
●がんサポート 2009 vol.78 がん相談QA 肺がん (PDF:667KB
  Q1.区域切除で1A期の肺がんは完治するか
  Q2.小細胞肺がんで右肺に限局。治療法は?
  Q3.イレッサとタルセバ、どちらが副作用強い?

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